あなたはさおだけ屋のトラックを見たことがありますか?数本のさおだけをのせながら、アナウンスしていますね。
おもしろいなと思ったのが、あのアナウンスって女性の声と男性の声のときがあるけど、女性の声のときは女性が運転しているのかなと思ったら、だいたいおじさんが運転していますよね。
そんなさおだけ屋にまつわるお話をしていきましょう。
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
日常の気になる疑問から話を始めて、普通なら難しい会計の知識を、わかりやすく面白く書いたのが本書です。著者の山田真哉氏は会計は難しいが、会計の本質はそんなに難しくないといいます。
会計は、どうすれば物事を的確にとたえることができるようになるのかという学問だと紹介しています。
ただ数字に強くなる必要はありませんが、数字のセンスを磨く必要があるというのです。
ちなみに数字のセンスとは物事をしっかり数字で考えることができるかどうかということなのだとか。
例えば、50人に1人が無料と聞いてあなたはどう感じますか?
そこで「その1人に選ばれたらいいな」と感じるのか、
それとも「これは100分の1だから、広告主にとっては2パーセントが無料なんだ」と気づくことができれば、数字のセンスがあるというわけなのです。
それがわかれば確実に5パーセント割引してくれるところにお願いしようと思えるからです。
このように会計に必要なスキルは難しい用語でも計算式でもなく、足し算や引き算、掛け算や、割り算ができればいいといいます。
優秀な経営者の中には会計は苦手でも、数字のセンスがある人が商売上手だというわけなのです。
また会計の本質を学ぶことで、会計の新しい視点や考え方、そして数字のセンスが身に付けることができるといいます。
例えば「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」という疑問から利益の出し方がわかったり、その他にも、「在庫だらけの自然食品店」から在庫と資金繰りがわかったり。
このように、身近にあふれた事例を出してわかりやすく、しかも役に立つ会計を伝えています。
ことわざ会計学
本書の巻末にあった、ことわざ会計学をいくつかご紹介します。
「ない袖は触れない」
どんなにやる気があっても、ある程度の元手がなければ、商品の仕入れも原材料の購入もできないのでどうしようもない。そんなにすばらしいビジネスモデルを思いついても、立ち上げ費用がなければなにもすることができない。
「安物買いの銭失い」
安くてダメな商品を仕入れると、売れ残ってしまって在庫処分にならざるをえない。また、安い機械を買うとすぐに壊れてしまい、逆に修繕費のほうがかかってしまうこともある。
「損して得とれ」
損をしないことばかりを考えていては、あまり利益を上げることはできない。長期的にたくさん利益を上げようと思ったら、短期的な小さな損は気にせず、思い切って投資したほうがよい。
この本は会計が難しいと感じている人も、抵抗なく読めるのでおすすめですよ。
以上、さおだけ屋はなぜつぶれないのでしょう?でした。