マーケティングって何でしょう?
この質問に答えられるのはなかなか難しい。
本書ではマーケティングとは何かを本質をついて説明した一冊です。
■現在のビジネスが抱える問題とは?
現代のめまぐるしく変化する市場に対して、ビジネス界が直面している課題が需要と供給のバランス。つまり消費者が少ないということです。
一昔前までは、商品を作れば作っただけ売れるという時代でした。当時は多くの企業がシェアの拡大を目指すために、生産力を上げるためにたくさんの工場をつくってきました。そしてたくさんの商品を世に送り出してきました。
しかし現代はモノがあふれて、お客さんは同じ物でもあらゆる種類の中から選ぶようになりました。
すると多くの企業はお客さんに選ばれるために商品やサービスを売るための工夫をするようになったのです。
例えば、商品におまけをつけたり、値下げをしたりしていますよね。
しかし多くの会社が値下げをすればするほど競争は激しくなり、それが利益の減少、さらには倒産や合併を生んでしまうのです。
しかし値下げ競争に頼ることなく、勝ち残ることはできるのでしょうか?
そのためには「マーケティングの本質を理解して使いこなす」ことだとコトラーは言います。
コトラーはマーケティングは製造や販売といった補助的な役割だけではなく、有能な顧客製造部門なのです。
■マーケティングの本当の意味
マーケティングとは、的(mark)に命中させる能力のことです。
そのためにはセールスが不要になるまで顧客を知り尽くす。
すると顧客のニーズを突き止めることができ、ニーズにあった商品やサービス、それらを適切な時期に提供できるようになります。
するとそれがシェアの拡大につながるのです。
どうしても目先の取引に目がいってしまいますが、長期的な投資と考えなければいけないのですね。
そのために経営のトップはもちろん、社員一人一人がマーケティングに意識を持つことが重要なのです。
このようなマーケティングの本質を理解するために、コトラーが最も重要だと考えている80のコンセプトをリストアップして、それぞれに事例を交えながら判りやすく解説をしているのがこの本。
また巻末には、アルファベット順にならべてるので、ヒントが欲しいときや検索したいときなどにとても便利になっていますよ。
マーケティングが難しいと感じている人にもわかりやすく、本質を突いた読みやすい一冊です。
以上、マーケティングの父コトラーに学ぶでした。